自宅での療養、介護、看取りの選択ができる町へ

都農町の介護を支える、福祉用具貸与サービス「ハーティーやの」の新名亮さんに、福祉・介護の現場で起きていること、そして理事をつとめる一般財団法人つの未来まちづくり推進機構(以下「つの財団」)が力を入れている地域医療・総合診療医の具体的な内容について話を伺いました。

新名さんのお仕事は、ケアマネージャー・デイサービスなど介護事業者と連携し、その人に合った介護用具、環境を選定すること。

高齢者の状態や状況は日々変わっていくため、介護用具を買ってもすぐに使えなくなってしまうことが多くあります。

介護用具を貸すことで、利用者の家族やデイサービスの経済的な負担を減らすことができます。

「総合診療医」と一つのチームになる

家族が亡くなる時、自宅で看取りたいという人は多い、と新名さんは言います。


しかし、その多くは病院や施設になってしまうのが現状。


家でどんな介護をすれば良いのか?
体調に変化があった時にどう対応すれば良いのか?
家族だけで解決するには難しい問題です。

その架け橋となるのが「総合診療医」です。


「総合診療医」と聞いても、何をしている人なのか、どんなお医者さんなのか、知っている人は少ないのではないでしょうか。


「総合診療医」は患者さんの病気だけではなく、生活の状況なども把握しているため、患者さんが自宅に帰ったとき、家族がどういう風に介護していけば良いのかを指示してくださいます。


さらに、看護師が自宅に行く、訪問看護への指示を出したり、自ら自宅に行って診察(訪問診療)を行ったりします。


その際、自宅介護で必要となるベットや介護用具を新名さんが用意し、一つのチームとなって患者さんをサポートします。

しかし「総合診療医」という存在の認知度がまだ低いために、自宅療養はできないとあきらめて病院や施設になってしまうことが多いのです。

「総合診療医」を支える「つの財団」

都農町は高齢化率が40%近く、かねてより地域医療が課題でした。


一昨年、町制100周年を機に、これからの100年、都農町の未来のために町が10億円の拠出を英断して設立されたのが「つの財団」です。


「つの財団」は、これからのまちづくりを、町役場だけではなく、民間や教育機関と積極的に連携し、クリエイティブなこと、新しいサービスを創出することを目指しています。


「つの財団」で現在、もっとも力を入れているのがデジタル・フレンドリーで、本拠地となる多世代交流サロン「文明|BUNMEI」では毎日、高齢者の方々がタブレットをもって、集まっています。


主な事業領域として、地域医療・福祉産業振興人材育成を3本柱に掲げています。

具体的に地域医療・福祉の課題を解決するために昨年、宮崎大学の医学部に寄附講座を開設しました。


こうして宮崎大学の総合診療医が、都農町国民健康保険病院に来ることになりました。

自宅での介護や看取りを考えたときには、ぜひ相談をしてみると良いでしょう。

その現場に立った人じゃないと気づかんことが多いと思うとよね。

でも、自宅で大切な人の最後を看取ることができる、今都農にはその選択肢があるということの大事さ、当たり前じゃないってことを知ってほしい。

自宅で看取ることができるというのが嬉しくてやっぱ泣くからね、お母さんも。

やっぱ嬉しいわね。

(新名さん)

「自宅で看取る」選択ができる町に

患者さんの状態を常に把握し、命を守る総合診療医


そんな大変なお仕事のやりがいを、新名さんはこう感じています。

すごく大変だけれども、やりがいは常に感じるやろうね、人と触れ合うからね。

人が困っていることっていうか人の課題に対することやから、やっぱそこがやりがいやろうね。

家族を自宅で看取りたい人が多くいる今、その選択ができる環境にある都農町。


私たちが現場から発信して、より多くの人に知ってもらうことが重要です。

「つの財団」とか「総合診療医」が何をしているのか、何のためにいるのか、多分皆さん知らない。

なんかそういうのは知っといた方が、都農に住んでいるからこそより知ってほしいなって。

コロナ禍の今、医療の現場に携わる方々には感謝しかありません。

自分が「生かされている」というありがたさを忘れずに生きていきたいですね。

(新名さん)
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