
MERS
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もう一つの致死率の高いコロナウイルスは、MERS(中東呼吸器症候群)ウイルスです。ヒトコブラクダにかぜ症状を起こすウイルスで、それが人間にうつったと考えられています。
2012年にサウジアラビアで発見され、27か国で2,494人の感染者があり、858人が亡くなられました(致死率 34.4%)。ただし、一般のサウジアラビア人の0.15%がMERSウイルスへの抗体を持っており、報告されない軽症例が多いと推察されています。


この文章を書いた人
桐ケ谷 大淳(きりがや だいじゅん )
大阪府出身。2001年、滋賀医科大学卒業。社団法人地域医療振興協会にて地域志向型研修を受け、へき地の診療所で所長を務める。2012年に子育て環境を考えて、妻の実家のある宮崎県へ異動。地域の病院での在宅医療部門の立ち上げや、大学での教育に携わり、2020年4月から都農町にて勤務。ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが、ここ数年の課題。最近の趣味は、子どもたちとサッカーをしたり公園で遊ぶことです。
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