馬づくりから、人づくりの仕事  (放課後等デイサービス)

目次

ホースセラピーを取り入れた、
放課後等デイサービス
【ポニーフレンドクラブ】

ホースセラピー、放課後等デイサービス、、

都農町で、全国でも数少ないホースセラピーを取り入れた放課後等デイサービスポニーフレンドクラブ」を経営する黒木良治さんに、お話を伺ってきました。

いずれも聞きなれない言葉。

ホースセラピーは、乗馬と、馬の手入れ・飼育管理、馬小屋の管理、馬の観察などを通じて、精神機能と運動機能を向上させ、社会生活能力を高めるリハビリテーションの方法の一つ

(ポニーフレンドクラブ ホームページ)

放課後等デイサービスは、学校通学中の障害児が、生活能力を向上するための訓練等を継続的にうけることで自立を促進できる放課後等の居場所づくり

(ポニーフレンドクラブ ホームページ)

この2つを組み合わせて、ポニーフレンドクラブでは、障害児が「馬に乗れる」喜び、「馬に触れる」喜び、そして「馬とわかり合える」喜びを感じることができます。

さらに、体幹を鍛えたり緊張をほぐしたりすることで、子どもの落ち着き成長(発語、歩行など)を促します。

(ポニーフレンドクラブ ホームページhttps://www.pony-friend.com/より)
(ポニーフレンドクラブ ホームページhttps://www.pony-friend.com/より)
(ポニーフレンドクラブ ホームページhttps://www.pony-friend.com/より)

この事業をはじめたきっかけ

黒木さんが中学生のころ、テレビでたまたま競馬中継を見てたら夢中に。

剣道をやってて、1つのレースに勝負ごとの駆け引きがあることに共通項を感じたからか、、それ以来、馬の名前や競馬ブックを見て、推し馬を決めたりすっかり馬のファンに。

実家が畜産業で、牛が40頭いて、動物が身近にいたことも、少なからず影響はあったかもと笑う黒木さん。

好きが高じて、高校を卒業後、北海道で競走馬の育成の仕事につくことに!

北海道で5年ほど働き、その後、沖縄県の伊江島で観光の仕事をする先輩を手伝うことで、馬の仕事とまちづくりが重なってきました

子どもたちにとって、馬とふれあうことは心身ともに良い影響をもたらすことを知ったことが、今の仕事をはじめるきっかけになります。

その後、熊本にいる別の先輩から、ホースセラピーの存在、そして障害をもつ子どもたち向けに乗馬や馬の世話をすることで発達を支援する事業があることを学びました。

都農町でポニーフレンドクラブを設立

2010年、口蹄疫が発症。

黒木さんのご実家も大打撃をうけ、お父様は畜産業を断念、かぼちゃの生産へ舵を切ります。

黒木さんは都農町へのUターンを決意

沖縄や長崎で学んできたホースセラピーをいかした放課後等デイサービス事業にチャレンジをすることに。

黒木さんは馬の専門家ではありましたが、福祉はまったくの未経験。

3年間、必死に勉強して児童指導員の資格を得ました。

デイサービス事業の許認可要件を満たすため、社会福祉士や臨床心理士、保育士を探し、実家を事務所として改修し、福祉事業の認可を取得します。

事業資金があったわけでもなく、ささやかな貯蓄と銀行からの借り入れで勝負に挑みます。

ホースセラピーをつかった放課後等デイサービス事業は、欧米がルーツ。

日本では、10年ほどの歴史しかなく、子どもに特化した事業所となると全国でも数えるぐらいしか存在しません。

当然、都農町では事例がなかったため、宮崎市まで頻繁に相談に行き、なんとか開所までこぎつけました。

障がいのある子どもたちも楽しめる場づくり

設立当初、都農町内の利用者はゼロ

隣町の川南町や高鍋町、日向市の子どもたちだけでした。

黒木さんは、来てくれた子どもたちに少しずつ馬の楽しさを体験してもらい、放課後等デイサービスとしてのプログラムづくりを整備していきます。

肢体が不自由な子どもたちは、乗馬で股関節を動かすことによって脳にも刺激をうけます。

多動症の子どもたちには、馬に乗ることで落ちないように心身ともに集中力がついたり、体幹が鍛えられるという効果が期待できます。

黒木さんは、子どもたちがあそびに特化して、外で楽しめることを一番大切にしています。

事業をはじめてから少しずつ、口コミや評判により町内の子どもたちも増えていき、今では町内3小学校すべてからくるようになりました。

毎日、学校に車で子どもたちを迎えに行き、15時から16時は自由時間、16時から乗馬や馬のお世話をして、17時には自宅まで送り届けています。

これからのビジョン

これからのビジョンはなんですか?

と黒木さんに質問したら

「就労事業をやる!」と即答でした。

放課後等デイサービスは、小学生から高校生までを対象にしています。

問題は、高校を卒業したあとの就職です。

現状、障がい者ができる仕事には限りがあり、都農町のような小さな町では選択肢が限られてしまいます。

黒木さんは、競走馬の引退後のお世話をはじめ、障がい者ができる仕事をつくっていきたいと決意をにじませていました。

ポニーフレンドクラブとして、昨年、一人雇用しました。今後、ポニーフレンドクラブを卒業した人たちが、自立した仕事についていけるようにしていきたいと黒木さんは考えています。

中学生からの夢を目標にして、実現してきた黒木さん。

馬づくりから、人づくりまでが仕事と捉えています。

地域共生社会を目指す都農町として、全国でも希少価値の高いホースセラピーを使った放課後等デイサービスを実現させているポニーフレンドクラブは重要な存在。

町内外を問わず、もっともっと多くの人に知ってほしい、という思いでご紹介させていただきました。

これからも黒木さんのチャレンジから目が離せません。

ポニーフレンドクラブ

(合同会社ホットフィーリングカンパニー)
https://www.pony-friend.com/contact/
〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町大字川北5268-37

TEL:0983-32-8252 FAX:0983-32-8253

電話受付時間 9:00〜17:00

【サービス提供時間】

平日 学校終了時〜17:00まで

土曜日・日曜日(個別対応のみ)9:30〜18:00

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