ダニが媒介する感染症
「うさぎ追いし~」で始まる唱歌「ふるさと」に「つつがなしや」という歌詞がありますが、意味をご存じでしょうか?
「つつがない」とは「問題なく無事であること」ですが、この言葉が由来になった疾患として「ツツガムシ病」があります。
ツツガムシ病や日本紅斑熱という病気は、マダニやツツガムシなどに刺されることによって感染する細菌感染症で、刺されてから1~2週間後に発熱や筋肉痛、体のだるさが出現し、体に発疹が出てきます。
診断がつけば有効な抗生物質で軽快・治癒していきますが、当初は風邪や熱中症に間違われることも多く、重篤な場合には死に至ることもあります。
また、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という病気があります。
こちらもマダニなどに刺されることで感染するウイルス感染症で、日本国内では平成25年に初めて報告されました。
ツツガムシ病と同じように刺されてから1~2週間後に発熱や筋肉痛、体のだるさが出現しますが、ツツガムシ病と異なり、発疹が出ないこと、刺し口が目立たないことから診断が難しいことも多いです。
何よりも、有効な治療法がなく、死亡率が20-30%に上るという恐ろしい病気です。
ちなみに、宮崎県はSFTSの報告が全国最多であり、今年度も既に7人の発症者が報告されています。
マダニ自体は家ダニとは異なり、家屋内に生息することはありませんが、山や森林だけでなく公園などの茂みにいることが分かっています。
マダニに咬まれないようにすることが最大の予防ですので、茂みに入る際には肌の露出を避けるように帽子や手袋・長靴などを着用し、家に上がる前に衣服を払うようにしましょう。
また、茂みに入ったり、ダニに刺されたりしてから発熱が出現した場合には、早めに病院を受診してください。
宮崎県のホームページ(下記リンク)にも情報が記載されていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
新型コロナウイルスの陰に隠れていますが、本当に恐ろしい病気です。
農作業など、屋外作業が増えてくる時期ですが、ぜひ、熱中症と合わせて予防をお願いします。
(参考:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/kansensho-taisaku/kenko/hoken/page00173.html)