新型タバコってどうなの?
ここ数年でタバコ会社が新しいタバコとして「加熱式タバコ」を売りだしており、習慣的に喫煙している方の3割弱が加熱式タバコを利用しているようです。
とくにアイコスというのが若者を中心に急速に広まっており、皆さんも名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
①健康への悪影響が少ないのではないか
②臭い煙が出ないので周りに迷惑をかけにくい
というのが広まっている要因のようですが、実際はどうなのでしょうか。
加熱式タバコは簡単に言うと、火を使わずにタバコ葉を高熱で熱してそこから出たエアロゾル(蒸気)を吸うというものです。
いくつかの分析では従来の紙巻きタバコとほぼ同量のニコチンが含まれ、また発がん性物質も数分の1に減ってはいるが間違いなく含まれています。
また目に見えないエアロゾルが受動喫煙の危害を起こすリスクもあります。
「有害物質が少ない」=「健康被害が少ない」とは必ずしも言えず、加熱式タバコにしか含まれていない化学物質もあり、そのリスクがどの程度あるのかは分かっていません。
加熱式タバコの副流煙や健康被害は未知数で、これから何年も経過しないとはっきりしません。
WHOは加熱式タバコを紙巻きタバコと同様に規制すべきとしています。
タバコをやめたいと考えて加熱式タバコに手を出した結果、紙巻きタバコも結局やめられず併用しているというケースもあります。
禁煙したいなら、やはりタバコ自体をやめてしまうのが一番です。
この文章を書いた人
桐ケ谷 大淳(きりがや だいじゅん )
大阪府出身。2001年、滋賀医科大学卒業。社団法人地域医療振興協会にて地域志向型研修を受け、へき地の診療所で所長を務める。2012年に子育て環境を考えて、妻の実家のある宮崎県へ異動。地域の病院での在宅医療部門の立ち上げや、大学での教育に携わり、2020年4月から都農町にて勤務。ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが、ここ数年の課題。最近の趣味は、子どもたちとサッカーをしたり公園で遊ぶことです。