HbA1cの目標値(高齢者編)
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前回、糖尿病の方の血糖コントロール目標としてHbA1c(ヘモグロビンエー・ワン・シー)が使われること、「6・7・8(%)」の3段階の目標値があることを紹介しました。
高齢者の方では、認知機能や日常生活動作(ADL)の程度、他の病気の有無などで3つのカテゴリーに分けられ、やや緩めの目標値が設定されています(7.0-8.0%未満)。
また低血糖のリスクが高いインスリンや内服薬を使用している場合には、さらに緩めの設定になっています。
高齢糖尿病患者さんの治療では、血糖などのコントロール以上に、生活機能を維持するのが大切だという意見もあります。
いろいろな病気を持っていて飲み薬が多くなりやすい一方で、腎臓や肝臓の働きが低下して副作用が出やすかったりもします。
高血糖だけでなく、重い低血糖も認知症を起こしたり悪化したりする関係性が分かっています。
治療にあたっては、個別の患者さんの状態により治療薬や治療目標が変わってくるので、かかりつけ医師とよく相談をしていきましょう。
この文章を書いた人
桐ケ谷 大淳(きりがや だいじゅん )
大阪府出身。2001年、滋賀医科大学卒業。社団法人地域医療振興協会にて地域志向型研修を受け、へき地の診療所で所長を務める。2012年に子育て環境を考えて、妻の実家のある宮崎県へ異動。地域の病院での在宅医療部門の立ち上げや、大学での教育に携わり、2020年4月から都農町にて勤務。ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが、ここ数年の課題。最近の趣味は、子どもたちとサッカーをしたり公園で遊ぶことです。
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