さんた(3た)論法
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サンタクロースの話ではありません。
「さんた論法」は、ある薬を「使った」→病気が「治った」→薬が「効いた」という論法のことを指します。
ある祈祷師が雨乞いをした、雨が降った、なので雨乞いは効いた、と言われると、皆さんどう思われますか。
根気よく雨乞いを続けていれば、いずれ雨は降ってくるので、雨乞いのおかげかははっきりしません。
薬についても、使ってみて病気や症状が良くなったとしても、本当に薬が効いたのか、自然の経過で良くなったのか、はっきりしない場合は多々あります。
かぜのときに抗菌薬(抗生物質の薬)を飲んで、症状が良くなったので「効いた!」と思っても、実は自然経過だったりします。(かぜの9割程度はウイルス性と言われ、ウイルスに抗菌薬は効きません)
前回は治療的診断という話をしましたが、治療薬を使って良くなったからといって、必ずしも「効いた」とは言えない場合があるのが悩ましいところです。
この文章を書いた人
桐ケ谷 大淳(きりがや だいじゅん )
大阪府出身。2001年、滋賀医科大学卒業。社団法人地域医療振興協会にて地域志向型研修を受け、へき地の診療所で所長を務める。2012年に子育て環境を考えて、妻の実家のある宮崎県へ異動。地域の病院での在宅医療部門の立ち上げや、大学での教育に携わり、2020年4月から都農町にて勤務。ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが、ここ数年の課題。最近の趣味は、子どもたちとサッカーをしたり公園で遊ぶことです。
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