かぜに抗菌薬?
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先日、さんた論法というのを紹介しました。
そのなかでかぜと抗菌薬の話を書きましたが、『なぜ90%効かない抗菌薬が使われるのですか?』というご質問を、けんこう日記応援箱にいただきました。
「細菌によるかぜの可能性が少しでもあるから」、「ウイルス性のかぜから、細菌感染による肺炎など重い病気になるのを予防したい」という理由が大きいように思います。
かぜ自体はほとんどがウイルスによるもので、抗菌薬が必要になる場面はわずかです。
かぜのウイルスにより気管支粘膜などがダメージを受けると、細菌が肺の中に侵入して肺炎になる場合があります。呼吸器の病気など持病のない一般成人は、よほど体力が低下していないと肺炎になることはほとんどなく、抗菌薬の予防効果は見込めず、副作用(下痢や発疹、アレルギー反応)の方が問題になったりします。
この文章を書いた人
桐ケ谷 大淳(きりがや だいじゅん )
大阪府出身。2001年、滋賀医科大学卒業。社団法人地域医療振興協会にて地域志向型研修を受け、へき地の診療所で所長を務める。2012年に子育て環境を考えて、妻の実家のある宮崎県へ異動。地域の病院での在宅医療部門の立ち上げや、大学での教育に携わり、2020年4月から都農町にて勤務。ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが、ここ数年の課題。最近の趣味は、子どもたちとサッカーをしたり公園で遊ぶことです。
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