万病に効く食べ物!?
皆さんは、テレビやネットニュースで「〇〇を食べたら癌の発症を減らした」、「〇〇は原料に効果的」などとの宣伝文句を使って特定の食材をアピールしているのを見たことがあるのではないでしょうか?
中には研究結果を見せて科学的にも認められていると強調し、しばしばそれらが話題に上がったあとにスーパーからその食材のみがなくなるなんてこともあります。
しかし、医学的に言うと、特定の食材を食べて病気が劇的に良くなったり、体質を改善する効果を持つことがきちんと証明されている食材はほぼありません。
それどころか偏った食事内容になることで体に不利益が出ることさえあります。
例えば健康にいいとされる胡麻も脂質が多いので食べ過ぎると脂肪として蓄積されますし、癌を減らす効果があると報告されたコーヒーも医学的には「かもしれない」程度であり、また飲みすぎることにより動悸が出現し、吐気などの症状が出ることもあります。
このように、どんなに健康にいいとされているものも度がすぎれば体に害を及ぼすこともあり、まさに「過ぎたるは及ばざるが如し」です。 やはり人間、健康のためには色んなものをバランス良く食べることが一番です。
この文章を書いた人
坂本 遊(さかもと ゆう)
宮崎県宮崎市に教育者の両親の元で生まれ、地元の中学、高校に進学。現役時代は宇宙工学に憧れ、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)に入ることを目標に名古屋大学工学部を受験するも不合格となり、大学浪人に突入。その際、自分が恵まれた環境にいること、地元宮崎が好きなこと、人のためになる仕事に興味があったことから、一転して医学部受験を志し、翌年、宮崎大学医学部に合格。2019年に大学卒業後は古賀総合病院で初期研修を行い、2021年から「ALL MIYAZAKI総合診療専門研修プログラム」の第一期生として総合診療医としての研修を県立宮崎病院でスタートし、現在に至る。趣味はコーヒーと喫茶店巡り、ジム通い。暇さえあれば、県内各地のカフェに出没しているとの情報あり。