すり傷の手当 消毒よりも、とにかく洗う
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消毒により化膿するのを予防する効果は一時的です。皮膚の表面には多くの表皮常在菌がおり、消毒をしてもすぐに細菌は増えます。よく洗って異物などを流すことで、細菌が増えにくい環境にすることが大切です。また消毒液は、創部の組織にとっても有害だったりします。かえって傷の治りが遅くなったり、かぶれ(接触性皮膚炎)を起こすこともあります。
日本の水道水はきれいであり、洗うのは普通の水道水で大丈夫です。水道水で痛みを感じる場合は、生理食塩水(0.9%の食塩水:1Lの水+9gの食塩)を使うこともあります。
この文章を書いた人
桐ケ谷 大淳(きりがや だいじゅん )
大阪府出身。2001年、滋賀医科大学卒業。社団法人地域医療振興協会にて地域志向型研修を受け、へき地の診療所で所長を務める。2012年に子育て環境を考えて、妻の実家のある宮崎県へ異動。地域の病院での在宅医療部門の立ち上げや、大学での教育に携わり、2020年4月から都農町にて勤務。ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが、ここ数年の課題。最近の趣味は、子どもたちとサッカーをしたり公園で遊ぶことです。
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