文脈性(コンテキスト)(C)
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家庭医療(総合診療)ではその専門性をACCCCという5つの頭文字で表します。
今日は最後、5つめのC(コンテキスト:文脈性)についてご紹介します。
専門性を表す5つの言葉の中でも、文脈(ぶんみゃく)というのは一番耳慣れないかと思います。
その人の態度や行動、考えも理解していこう、という感じでしょうか。
病気だけでなく、その人の大切にしている価値観や生き方、周囲を取りまく事情(家族、仕事や金銭面など)に合わせた対応を考えていきましょうというところです。
医学的に正しくても(検査や治療法など)、患者さんにはそれぞれの考えや事情があり、場合によっては他の選択肢を選ばれることもあります。
患者さんをよく知り、より良い選択肢は何か、よく話し合っていくことは大切なことです。
都農町国保病院総合診療科では、患者さんの文脈が少しでも分かるように「健康情報シート」を書いてもらったりしています。
この文章を書いた人
桐ケ谷 大淳(きりがや だいじゅん )
大阪府出身。2001年、滋賀医科大学卒業。社団法人地域医療振興協会にて地域志向型研修を受け、へき地の診療所で所長を務める。2012年に子育て環境を考えて、妻の実家のある宮崎県へ異動。地域の病院での在宅医療部門の立ち上げや、大学での教育に携わり、2020年4月から都農町にて勤務。ワーク・ライフ・バランスを良くしていくことが、ここ数年の課題。最近の趣味は、子どもたちとサッカーをしたり公園で遊ぶことです。
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