出前看護師からお正月の不測の事態を避けるためのアドバイス②
年越しの準備は進んでいますか?
この時期に増加する病気や事故について医療者ができるアドバイスを簡単に説明します。
今回は「心不全」についてです。
お正月のお料理といえば、皆さんはまず「おせち」を思い浮かべると思います。
おせち料理の由来は古くは節句の際に神様に供えたもの(神饌しんせん・みけ)を家族で食べる風習が原型になっており、現代はお正月の料理をおせちと呼ぶようになったそうです。
つまり、おせち料理は供える時間を経過しても傷んでしまわないような工夫がされています。
濃い味付けと酢じめが多用されています。濃い味付けの主な材料は塩(塩分)ですね。
塩分は体に水をためるための成分「ナトリウム」をたくさん含んでいます。
ナトリウムを一気に摂取すると体のなかで水分が急に増えるので、血液と一緒に水分を体中に巡らせる役割の心臓が一生懸命働く必要が出てきます。
その心臓が疲れて、働きが足りなくなってしまうことが「心不全」です。
日頃から血圧が高い人・内臓の病気がある人は、おせち料理を食べるときに十分に気を付けてください。
残り物を出さないように頑張って食べてしまうと体に負担になりかねませんので。
次回は、「イレウス(腸閉塞)」についてです。
この文章を書いた人
つのまるナース
「つのまるナース」は、病院の組織では看護部に所属しています。
看護部には男女の20〜60歳代、子育て中や、身内の介護中など様々な生活背景を持つ40人近い看護師がいます。看護師⻑のもと、「外来」(通院する患者さんへの看護)と「病棟」(入院されている患 者さんへの看護)の、大きく分けて2つのチームにわかれ、外来、健診、訪問、病棟、 地域連携の各部署で、それぞれのもつ個性を活かしながら、日々働いています。 たくさんある看護師のしごとを、これから「つのまる」を通じて紹介していきます。